段位

 プロの段位とアマチュアの段位は全く別の体系です。女流もまた別です。
 アマチュア三段くらいになるとかなりの強豪ですが、小学生くらいの三段で、プロ予備軍の育成機関である奨励会(新進棋士奨励会)に入会できるかどうか、のレベル。
 ちなみに、奨励会は通常、入会時は六級です。年齢や棋力に応じて四級までの入会試験を受けられるようです。
 奨励会はプロと共通の段位制です。奨励会三段まで上がると、期毎に「三段リーグ」を戦い、原則として一期につき上位二名が四段に昇段します。
 「四段」からがプロ棋士です。
 プロの最高位は「九段」です。
 かつて「十段」というタイトルがありましたが、これは通常の段位とは別です。

昇段規定(連盟公式

 プロの昇段規定は非常に複雑です。これは、制度を決定する日本将棋連盟が、その制度を適用される棋士自身によって成り立っているから。
 まず「順位戦で昇級」。
順位戦は棋士のランキングを決定する棋戦。C2、C1、B2、B1、Aの5つのクラスがあり、四段に上がった時点ではC2に編入されます。C1、B2、B1、Aまで4つ上がれば「八段」。A級は定員10人で、A級リーグのトップが名人戦の挑戦者になります。A級=トップ棋士、と言ってよいでしょう。「八段」が一流の目安といえると思います。
※正確にはもう一つ、「フリークラス」がありますが別途記述。
 次に、「通算勝利数」での昇段。
これは四段から五段に上がるのに100勝、その上はどんどん数が増えますので、一つ上がるのに数年はかかります。あまりパッとしない成績のベテランがいつの間にやら昇段する感じ。ベテランを評価する意味ではバランスの取れた仕組みでしょうか。
 そして「タイトル絡みの昇段」。
特に竜王は建前上、名人と同格の最高位タイトルなので、竜王戦の成績はかなり重視されています。渡辺明竜王は順位戦B1級なのに竜王を四期保持しているという珍しいというか初めての例。
 「九段」はタイトル経験者でなければほぼありえません。かつ、タイトル保持中は段位でなくタイトルが肩書きとなるので、「九段」と呼ばれるのは現在タイトルを持っていない、「元タイトル保持者」というイメージです。谷川浩司が無冠になった時、色紙に「九段」とサインしなければならないのが悔しかった、と言ってました。
 ちなみに、名人と竜王に関しては、失冠した次の期は「前名人」「前竜王」の肩書きが使えます。さらにいうと特例として現役中に永世称号を名乗るケースもありますが、これも別に説明します。


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Last-modified: 2008/05/23 (金) 18:11:13 (5826d)