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他にもはてなグループの日記で随時紹介しています。

雑誌・定期刊行物

将棋世界』(日本将棋連盟、月刊)

 タイトル戦を中心としたプロ棋戦の棋譜、観戦記に始まって、将棋を指せる人を対象としたプロ将棋界の最新情報、といった感じでまとまったスタンダードな内容。毎月3日頃発売。

近代将棋』(休刊)

と、紹介しようとした矢先、創刊60周年を目前にして2008年6月号を以って休刊が決定。

NHK将棋講座』テキスト(月刊)

 他のNHKテレビ講座と同じく、放送内容に合わせたテキスト。が半分くらいで、残り半分はトップ棋士の評伝やエッセイなど連載読み物もわりと充実してます。値段も安い。毎月16日頃発売。

週刊将棋

 業界唯一の週刊紙。体裁上、定期購読以外は駅の売店とコンビニでの販売で、書店ではほとんど扱ってない模様。スポーツ新聞と一緒にスタンドに刺さって売られてます。
 週刊だけに当然情報が早いのと、各棋戦の予選やイベントなどマイナーな情報に手が届く感が売り、でしょうか。

詰将棋パラダイス』(月刊)

 詰将棋専門誌。基本的に書店で扱っておらず定期購読メイン。私も見たことがありません。略して『詰パラ』。
 どちらかというとパズル、芸術作品としての詰将棋製作に特化した内容だと思うので、本将棋の実戦向きではないかも? いや、読んだことがないので何も言えませんが。
 詰パラ発の詰将棋集の単行本もいろいろ出てます。そちらは普通に書店で売ってますね。

将棋解説書

先崎学『やりなおしの将棋』(岩波アクティブ新書)

 駒の動かし方くらいは知ってるし、いまさら『初めての将棋』みたいな本にあんまり高いお金は出したくないなー、という人にオススメの本。「やりなおしの~」という書名も、昔やったことあるけど、という人を対象として想定しています。
 もちろん、本当に初めての人でも大丈夫。
 内容は、ルールの説明から、棒銀・矢倉・四間飛車を例にした序盤の解説、囲いの紹介、終盤の手筋、詰将棋、まで一通り。
 一冊目に買う本としてはまず手頃かと。新書だし。

北島忠雄『将棋上達の方程式 手筋の公式 基礎編』(日本将棋連盟)

 歩から順に、駒の種類ごとに基本の手筋を解説した本。
 人によっては物足りないかもしれませんが、指し方を覚えたての初心者が読む「二冊目」としては手堅い内容で、類書でこれだけまとまったものはなかなかないと思います。
 北島六段はこれが最初の著書だそうで、文章はいまひとつですが読みにくいというほどではないです。

羽生善治『上達するヒント』(浅川書房)

 海外向け棋書『Habu's Words』の内容に加筆したもの。
 普通の定跡書と違って、アマチュアの実戦譜を検討しながら、さまざまな局面での形勢判断、指す上での方針、考え方などを具体的に解説するというユニークな構成。
 読みやすく、類書がないという意味でもオススメ。

週刊将棋・編、監修・山崎隆之六段(当時)『ひらめき次の一手 初級編』(毎日コミュニケーションズ)

次の一手って全然やったことなかったんですよ。なぜなら全くわからないから。
詰め将棋なら王手をかけ続けるという縛りもあるし、無駄な駒は盤上にないわけだから、自ずと手は絞られるけど、いきなり一局面を見せられて次の一手と言われても! と。
今回は個人的に好きな山崎七段の著書はないかなと思って、これしかなかったので買ったのでした。
監修といっても、内容は週刊将棋掲載の段・級位認定問題なので、山崎七段はその中から問題を選んだくらいでしょうか。解説にどれくらいタッチしているのかは不明。
そんな理由で買ったんですが、初級編だけに最初の方は3択になっていて、さすがにこれなら正解できる、というくらいの問題。解説もよくわかるし、初めて手応えを感じる「次の一手」に出会ったという感じです。オススメ。
続刊に『中級編』『初段編』も有り。監修は同じ山崎七段。

棋士の著書

 将棋の解説書以外の、棋士の著書など。
 ビジネスマン向けを意識してるのか、そういう喩え話が出てくることが多いですね。米長の時代はともかく、いまどき谷川までそんなこと意識しなくていいのに。

羽生善治『決断力』(角川oneテーマ21)

 ベストセラーになった一冊。他の棋士の著書がいろいろ出る呼び水になったという意義も大きい。
 内容は特に「決断力」が全体のテーマというわけでもない気がしますが、羽生の考え方を知る上で読んで損はないと思います。

谷川浩司『集中力』(角川oneテーマ21)

 上記、羽生の決断力に触発された本の一つ。
 こちらは「集中力を養うことが大事」というテーマで貫かれていて、やや教訓めいた内容が中心だがそれが谷川らしさともいえる。

谷川浩司『構想力』(角川oneテーマ21)

 将棋についての考え方や逸話など、読み物としては『集中力』よりこっちの方が面白かった。

米長邦雄『人間における勝負の研究』(祥伝社ノン・ポシェット)

 将棋界に広く浸透している「米長哲学」を知る上では必読といえる一冊。
 勝負の世界における浮き沈みを、運気の流れとして捉え、逆境においてはじっと耐えること、また他人の浮沈に関わる場合も絶対に手を抜かないこと、を説く。
 少なくとも数学的には運の流れというものはありえないはずなんだけど、阿佐田哲也もこれと非常に近いことを書いているし、一流の勝負師に通じる何かがあるのかと考えさせられます。
 本書を読むとホントに立派な考えの持ち主だと感じるんですけどね。

加藤一二三『一二三の玉手箱』(毎日コミュニケーションズ)

 自戦記とエッセイがほぼ半分ずつで、棋書以外では初の著書とのこと。
 本人は「全集を出したい」というくらい書籍執筆には熱意があるようだが、率直にいって文章はそれほど面白くない。
 ただ巻頭に「一二三伝説」として知られる数々の逸話について、その真偽や意図を本人が一つずつコメントした特集記事があり、これは貴重、かつ面白い。
 やはり、ひふみんは本人の生き様が一番面白いということのようだ。

その他(小説・ノンフィクション)

大崎善生『聖の青春』(講談社文庫)

夭折した天才・村山聖の生涯を描いたノンフィクション。マンガ、TVドラマにもなった傑作。

河口俊彦『大山康晴の晩節』(新潮文庫)

 最晩年まで強さを維持した大山康晴の身の処し方、というテーマも見事だが、著者自身が元プロ棋士でもあり多くの逸話が紹介され読み物としても非常に面白い。

マンガ

かとりまさる/安藤慈朗『しおんの王』(講談社、月刊アフタヌーン連載、完結)

 原作者のかとりまさるは、元女流棋士・林葉直子のペンネーム。
 両親を殺害されたショックで失語状態になった小学生女流棋士が主人公。未解決のその事件の謎がストーリーの軸となるミステリー仕立ての展開。TVアニメ版は特にその傾向が強かったようですが、原作は少ししか読んでいないので何とも。

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』(集英社、週刊ヤングジャンプ連載)

 プロを目指して挫折し奨励会を退会した主人公が、真剣師として謎の組織(?)と戦う、というストーリー。
 作者自身、小学生の時に奨励会に入会直前までいったという棋力の持ち主で、ストーリー展開に合わせて将棋監修の鈴木大介八段がオリジナルの棋譜を創作しているという。将棋そのものの描写に関しては最も本格的かも。
 放送中のTVドラマ版は原作に比べると薄味な感はあるが、ヒロイン「アキバの受け師」はかわいい。

羽海野チカ『3月のライオン』(白泉社、ヤングアニマル連載)

 家族を事故で亡くした高校生プロ棋士が主人公。
 将棋監修は先崎学八段。作中の対局には過去の名局譜が借用されている。
 前作『ハチミツとクローバー』が大ヒットした作者の新作ということで広く注目されており、将棋以前にマンガとして非常に読み応えがある作品です。

能條純一『月下の棋士』(完結)

 将棋監修は河口俊彦だったんですね。
 あまり読んでなかったんですが、『哭きの竜』と同様に物凄いハッタリで押すマンガ。実在の棋士をモデルにした登場人物が多数登場し(性格はともかく)、全体としては現実のプロの世界を土台にして描いていたようです。
 TVドラマ化もしてましたが私は一度も観てないので何とも言えません。


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Last-modified: 2009/05/15 (金) 21:36:38 (5453d)