将棋の解説書以外の、棋士の著書など。
 ビジネスマン向けを意識してるのか、そういう喩え話が出てくることが多いですね。米長の時代はともかく、いまどき谷川までそんなこと意識しなくていいのに。

羽生善治『決断力』(角川oneテーマ21)

 ベストセラーになった一冊。他の棋士の著書がいろいろ出る呼び水になったという意義も大きい。
 内容は特に「決断力」が全体のテーマというわけでもない気がしますが、羽生の考え方を知る上で読んで損はないと思います。

谷川浩司『集中力』(角川oneテーマ21)

 上記、羽生の決断力に触発された本の一つ。
 こちらは「集中力を養うことが大事」というテーマで貫かれていて、やや教訓めいた内容が中心だがそれが谷川らしさともいえる。

谷川浩司『構想力』(角川oneテーマ21)

 将棋についての考え方や逸話など、読み物としては『集中力』よりこっちの方が面白かった。

米長邦雄『人間における勝負の研究』(祥伝社ノン・ポシェット)

 将棋界に広く浸透している「米長哲学」を知る上では必読といえる一冊。
 勝負の世界における浮き沈みを、運気の流れとして捉え、逆境においてはじっと耐えること、また他人の浮沈に関わる場合も絶対に手を抜かないこと、を説く。
 少なくとも数学的には運の流れというものはありえないはずなんだけど、阿佐田哲也もこれと非常に近いことを書いているし、一流の勝負師に通じる何かがあるのかと考えさせられます。
 本書を読むとホントに立派な考えの持ち主だと感じるんですけどね。

加藤一二三『一二三の玉手箱』(毎日コミュニケーションズ)

 自戦記とエッセイがほぼ半分ずつで、棋書以外では初の著書とのこと。
 本人は「全集を出したい」というくらい書籍執筆には熱意があるようだが、率直にいって文章はそれほど面白くない。
 ただ巻頭に「一二三伝説」として知られる数々の逸話について、その真偽や意図を本人が一つずつコメントした特集記事があり、これは貴重、かつ面白い。
 やはり、ひふみんは本人の生き様が一番面白いということのようだ。


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Last-modified: 2009/05/15 (金) 21:30:15 (5459d)